“賢者の街”エルクレストについて
■エルクレストについて
陰の森の南にあるダニス山脈の南、死人の沼地の北にあるロアセル湖に隣接して存在する都市国家。
それが“賢者の街”エルクレストです。
エルクレストは、元々はただの小さな村しかありませんでした。
ですが三十年前、現在の領主であるアルフレッド=ヨークが、ロアセル湖の湖底に古の民エルダの遺跡を発見した事で状況は一変しました。
この遺跡が発見されたことで、遺跡を研究するために各地から魔術師や錬金術師達が集まり始めたのです。
やがて、そうして集まった人々が弟子を取るようになり、徐々に人々が集まるようになりました。
こうして村が成長し、組織化が進んだ結果生まれたのが現在の“賢者の街”と呼ばれるエルクレストです。
エルクレストには、エルクレストを“賢者の街”たらしめているカレッジ(全寮制大学)が存在します。
ここでは、様々な学問や精霊魔術、錬金術を教えており、多くの学生が学んでいます。
中でも、精霊魔術のカレッジは有名で、ここで学ぶために、わざわざ遠方より訪れる者もいるほどです。
また、エルクレストは冒険者でも賑わっています。
これは、ロアセル湖の遺跡の探索を目的とした冒険者達が多いためです。
このため、エルクレストには冒険者向けの店や宿泊施設も揃っています。
エルクレストは、周囲の戦争に巻き込まれないように他の国家や街に対し、中立宣言を行っています。
これは、この街のカレッジを卒業した優秀な人材をどこの国にも輩出する事が出来るという強みがあるからです。
■エルクレストの登場人物
>アルフレッド=ヨーク
エルクレストの国王。年齢は四十八歳。
真っ直ぐに伸びた背筋の、貫禄のあるヒューリンの中年男性。
沈着冷静で人当たりも良く紳士的だが、その手腕はかなりのもの。
今のエルクレストが、彼のカリスマと手腕によって成り立っている事は街の誰もが認めるところである。
アルフレッドは、かつては冒険者(セージ)で、各地を旅して見聞を広めていたらしい。
それをエルクレストの遺跡を発見した事で名を広め、その後重要な役割を担ってきたのである。
エルクレストの遺跡を踏破した後も、十年間は冒険者として過ごし、経験を積み、人脈を育てて来たという。
一人称は私。
>ジャスパー=エムロード
エルクレスト神殿の神官長を務める三十七歳の男性。ヒューリン。
穏やかな性格の持ち主で、エルクレストの人々の良き相談相手。
ただ、双子の姉弟ディアナとエリックを溺愛しており、娘と息子の事になると歯止めが利かなくなるのが玉に瑕。
一人称は僕。
>ディアナ&エリック
エルクレスト神殿の神官長ジャスパーの子供で、神殿のマスコット的存在。お互いに十二歳のヒューリン。
ディアナは好奇心旺盛で天真爛漫な少女。ちょっとワガママ。一人称はあたし。
エリックは人見知りが激しく、感情を余り表に出さない。一人称はボク。
>ラヴィ=フォスター
エルクレスト神殿の受付嬢で、十七歳のヒューリンの少女。
おしゃべり好きで流行や噂話に敏感だが、熱しやすく冷めやすい。
侍祭の位に就いており、エルクレスト学園の学生でもある。
一人称は私。
>エルヴィラ=アルディリケ
カレッジの学長。エルダナーンの女性で年齢不詳。外見的には二十代半ばに見える。
優しく、たおやか。だが、キレると誰よりも怖いとの噂。学生達の憧れの対象でもある。専攻は魔法。
一人称は私。
>ゴードン=アーティ
青い小鳩亭の主人。四十五歳のヒューリンの男性。
飄々とした人物だが、人柄は悪くない。宿で問題を起こす客には「宿賃(飯代)百倍な?」の殺し文句が飛ぶ。怒り具合によって倍数が増えるらしい。
一人称は俺。
>キャロル=アーティ
青い小鳩亭の看板娘。十七歳のヒューリン。
ショットカットの髪のボーイッシュな性格で、口より先に手が出る性格。ラヴィとは仲が良いようだ。
一人称はあたし。
■エルクレストの施設
エルクレストには、冒険者が必要とする施設は一通り揃っている。
>エルクレスト城
アルフレッドの住む城。白亜の美しい外観が特徴。
当然ながら、いざという時の防衛機構も考慮されている。
>エルクレスト神殿 エルクレストの神殿。
ジャスパーとディアナ&エリック姉弟が住んでいる。
神殿としての規模は大きめ。
>武具屋&道具屋
エルクレストの冒険者御用達の店。エルクレストにも幾つか存在する。
>カレッジ(エルクレスト大学)
剣術から魔法、錬金術――様々な分野を教える巨大な大学。エルクレストの名所。
普通の学問を教える『普通科』の他に、刀剣類などの武器の扱いや、身体を使った武道などの戦い方を教える『闘技科』。
魔法の扱い方を教える『魔法科』。
錬金術について教える『錬金術科』。
調理や服飾を教える『家政科』。
歌や踊り、礼儀作法を教える『芸能科』がある。
建物は、それぞれ科毎に分かれている。
エリンディル各地に優秀な人材を輩出していることで有名で、現在のエルクレストの要であり、エルクレストをエルクレストたらしめている場所でもある。
全寮制、年齢制限無しの四学年式。
単位制で、単位を取る事が出来れば卒業が可能。単位を取る事が出来なければ進級は不可能で、基本的に自主退学か授業料が払えなくなるまで在学する事が可能。
中には、純粋な学生から、様々な事情で冒険者も兼業している学生もいるとか……?
また、卒業の後に優秀な人材が講師や研究者として残る事も。
>青い小鳩亭
エルクレストに数ある冒険者の酒場兼宿屋の一つ。
ゴードンが経営している。平凡だが清潔感の行き届いた過ごしやすい店。
■関連した設定
>ロアセル湖の遺跡
ロアセル湖のそこに存在する古の民エルダが作り出した遺跡。
>ヘイゼンの森
エルクレストの東に広がる森。
恵みの豊かな森だが、動物達の他にモンスターは勿論、妖魔が棲みついている事もある。
>ダニス山脈
エルクレストの北にある山脈。
こちらも、ヘイゼンの森同様に妖魔やモンスターなどが出現する。
>ロアセル湖
エルクレストの湖。透明度の高い美しい湖で、エルクレスト住民の憩いの場にもなっている。
だが、エルクレストがある事もあってか、人前には滅多に出現しないものの、ロアセル湖には水属性のモンスターが多数存在するようだ。